23歳で飛び込んだインド料理の世界。
ー「マロロガバワン」礒邊 和敬さん
理想のお店に出会うまでの物語。**
聞き手:
今日は、店主さんの“カレーのルーツ”から“お店づくりのこだわり”まで、たっぷりお聞きしたいと思います!
■ 小5でハマったカレー。そこからすべてが始まった。
聞き手:
まず、カレーの世界に入るまでのお仕事について教えてください。
店主:
仕事としてやり始めたのは23歳くらいですけど、その前にそもそもインドカレーにハマったのが小学校5年生なんですよ。
そこからずっとカレー好きで、高1のころから飲食店のアルバイトもしてました。
料理が元々好きだったので、「ちゃんと手に職をつけるならカレー、インド料理だな」と思って、この世界に入りましたね。
■ “小5で食べたあのカレー”をもう一度。そこから始まった“探す旅”。
聞き手:
その小5の時のカレーって、そんなに大きな存在だったんですね。
店主:
そうなんです。家で出してたキーマカレーなんですけど、
「あれをもう一度食べたいな」って思って、探す食べ歩きをしてたんですよ。
そしたら、本当に同じ味を出してるお店があって。
僕、勢いで「ここで働かせてください!」って飛び込んじゃったんです(笑)。募集もしてなかったのに。
でも、「じゃあ、うちでやってみる?」って受け入れてくれて。
それがちょうど23歳くらいです。
あとで分かって驚いたんですけど、小5のときに食べたカレーのお店の店主と、
僕が修行に入った店の店主が、どちらも 麹町の名店『アジャンタ』で働いていた んですよ。
だから、同じ味に巡り会えたんだなって。
■ **最初の修行先「インド食堂アンジュナ」
南インドも北インドも学べた、理想のスタート。**
聞き手:
修行に入られたお店について教えてください。
店主:
最初に入ったのが、日野市・高幡不動にある 「インド食堂アンジュナ」 です。
南インドも北インドも両方やっているお店で、今のうちのスタイルにも近いですね。
そこでタンドールもしっかり教わりましたし、料理人としての土台をつくってもらった場所です。
■ 焦らず待って出会えた“ここしかない”物件。
聞き手:
お店を構える場所選びはどうされましたか?
店主:
物件探しは本当に苦労しました。なかなかしっくりくる場所がなくて…。
最初は「ここでいいか」みたいな妥協案で決めそうになったんですけど、
周りの先輩から「絶対に焦らず待ったほうがいい」と言われたんです。
その言葉を信じて待っていたら、今の物件が出てきて。
駅から少し離れていて、暮らしのエリアの中にあって、外観の開けた雰囲気も好きで──
もう“ここしかない”って即決でした。
■ **木の温もりと、ゆったりできる空気。
内装にも込めた“自分たちの好き”。**
聞き手:
内装へのこだわりも伺いたいです。
店主:
とにかく“温かい雰囲気”を大切にしました。木を多めに使って、
このテーブルも後ろの棚も、自分たちで集めた木材を大工さんに重ねて作ってもらったものです。
家とはちょっと違うけど、ゆったりくつろげる空間。
スパイス料理とお酒を楽しんでもらえるようなお店を目指しました。
■ 「自分たちの好き」を貫ける場所で。
聞き手:
お店のコンセプトは“自分たちの好きなものを届ける”という点にあるんですね。
店主:
そうですね。僕も奥さんもお酒が好きで、スパイス料理も大好きで。
だから、駅前で“売れ筋だけを出す”より、
自分たちが本当に美味しいと思うものだけを出したいんです。
それを気に入って毎日のように来てくださるお客さんもいて…
本当に嬉しいし、今はすごく楽しくやれてます。
■ 今回OTORYで販売する“バターチキン”のこだわり。
聞き手:
では最後に、今回OTORYで販売いただくバターチキンのこだわりを教えてください。
店主:
うちのバターチキンは、他のお店の“甘いバターチキン”とはちょっと違うんですよ。
僕自身、甘すぎるバターチキンがあまり得意じゃなくて…それも理由のひとつですが、
それ以上に 「ご飯に合うバターチキン」を作りたかった んです。
うちはナンをやっていないので、ご飯で食べたときに美味しい味を目指しています。
だから、
・トマトの酸味がしっかり効いていて
・甘さ控えめ
・スパイスがしっかり立っている
というのが大きな特徴です。
隠し味というほど隠してはいないんですけど(笑)、
バターのコクとトマトの爽やかさ、そこにゴマの風味が重なる“分かりやすい美味しさ”を目指しています。
あと、辛味には グリーンチリ を使っているので、そこも他とは違うポイントですね。
聞き手:
ご飯に合わせて作られたバターチキンなんですね。
店主:
はい。もちろん、家でナンやパンで食べても美味しいんですけど、
まずはぜひ“ご飯”で食べてみてほしいです。
日本米でもいいし、バスマティライスでも相性抜群です。
ちょっと変わった食べ方をしたい人は、
“スパイシーなトマトクリームパスタ”風にパスタと合わせてもめちゃくちゃ美味しいので、ぜひ試してみてください。
